― 回答忘れを防ぎ、参加者との信頼関係を保つ“やさしい架電”の仕組み ―
アンケート調査では「回答率」が成果を大きく左右します。
どれだけ良い設問設計をしても、参加者が回答しなければデータは集まりません。
今回ご紹介するのは、マスクの比較調査を対象にしたアンケート回答フォローコール案件。
数百名規模の参加者に向けて、**「回答を思い出してもらう」「安心して回答してもらう」**ことを目的に、やわらかいトーンでの架電運用を実施しました。
■ 案件概要
- 調査内容:マスクの新旧比較に関するユーザーアンケート
- 対象者数:約300名(全国の一般モニター)
- コール目的:アンケート未回答者へのフォロー・回収促進
- コール期間:2025年8月下旬〜9月上旬
- 成果指標:回答完了率・参加者満足度
アンケートは、事前にサンプリング調査を経て選ばれたモニターにマスクを郵送し、
比較体験後にWebアンケートへ回答してもらう流れでした。
■ 運用設計とトーク設計
① 忘れていた方へのリマインド
「8月のはじめにお送りしたマスク比較調査の件でお電話しています。
ご回答のご予定をいただいていたので、念のためご確認でご連絡しました。」
このように、思い出してもらうきっかけトークを中心に、押し付けにならない自然なリマインドを実施。
実際、回答を「忘れていた」「どこから入ればいいかわからなかった」という声が多く、
フォローコールをきっかけに再回答へつながるケースが多数見られました。
② 個人情報への配慮を徹底
調査モニターへの電話では、「個人情報の出所」に不安を感じる方も多いため、
冒頭で以下のように安心感を伝える一言を入れる設計にしました。
「ご登録いただいた事前アンケートの情報をもとに、今回のご協力をお願いしております。」
この一文で、ほとんどの方が安心して話を続けてくださり、
短時間での信頼構築とスムーズな誘導が可能になりました。
③ インセンティブ(ポイント)関連の質問対応
アンケートには回答インセンティブ(ポイント付与)が設定されており、
問い合わせの多い内容にあらかじめ統一回答を準備しました。
- Q. ポイントはどのくらい?
→ 10ポイントです。 - Q. いつもらえるの?
→ 回答内容を確認後、9月中に付与されます。 - Q. どこのポイント?
→ ご登録いただいたアンケートサイトのポイントとして付与されます。
こうしたFAQ形式の応答フローを全オペレーターで共有することで、
対応品質のブレを防ぎ、短時間でも丁寧な説明を維持できました。
■ 成果サマリー
| 指標 | 実績値 |
|---|---|
| 架電総数 | 約300件 |
| 通電率 | 約85% |
| 回答誘導成功率 | 約60%(架電時に「後で回答する」と約束含む) |
| 実回答率上昇幅 | 約+35%(コール前比) |
| 苦情・拒否対応率 | 1%未満 |
特に「一度了承していたが忘れていた層」からの再回答が顕著で、
コール実施前と比べて回答回収率が1.5倍に改善しました。
■ 運用のポイントと学び
- “押さない”コミュニケーション設計
「まだですか?」ではなく、「ご協力のお願いを再度お伝えしたくて」という伝え方が鍵。 - FAQとトークの統一管理
質問が集中する“ポイント付与時期”などを明文化し、安心感を生む。 - 短期調査ではスピードが命
調査期間が2週間前後と短いため、送付から7日以内のフォローコールが最も効果的。
■ まとめ|リマインドコールは「数」よりも「信頼」で決まる
アンケート回収フォローは、強い営業力よりも正確で誠実な伝え方が重要です。
参加者との“約束を思い出させる”という役割に徹することで、
負担感を与えずに回答を促し、結果的にデータ品質と回収率を両立できました。
今後もこの知見を活かし、
商品テスト・モニター調査・リサーチ回収支援など、
**「回答したくなる架電コミュニケーション」**を設計していきます。

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