【実績紹介】広告代理店の新規開拓テレアポでアポ率2%を達成

― 不動産・自動車業界で高反応、業界別の“アポが取りやすい構造”を分析 ―

広告代理店にとって「新規開拓」は永遠のテーマです。
リスティング・SNS広告・セミナー施策などさまざまな集客手法がある中で、
あえて電話(テレアポ)によるBtoB開拓を半年間継続的に実施。

その結果、全体アポ率2%という堅実な成果を上げつつ、
業界ごとの「アポが取りやすい/取りにくい」傾向が明確に見えてきました。
特に不動産業界と自動車業界においては、明確な反応の差が観察できた点が非常に興味深い事例です。


■ 案件概要|広告運用案件の新規獲得を目的にしたBtoBテレアポ

  • 目的:広告代理店としての新規顧客(広告運用・LP制作案件)獲得
  • 期間:6か月間(2025年上期)
  • 架電数:月約400件 × 6か月(合計 約2,400件)
  • 対象業界:不動産(ハウスメーカー・投資系含む)、中古車販売、スクール系、求人系など
  • 成果:アポ率2.0%(約48件の商談創出)
  • 運用体制:CRM(HubSpot)+週次定例でスクリプト・リスト改善を実施

■ 実績サマリー

指標実績値
総架電数約2,400件
通電率約87%
担当接触率約27%
アポ率2.0%
稼働期間6か月
商談創出数約48件
再アプローチ対象約300件

全体としては堅実な成果でありながら、業界別に見ると興味深い傾向が現れました。


■ 業界別に見る「アポの取りやすさ」傾向

● 不動産業界:ハウスメーカーは高反応、投資会社は低反応

不動産業界は最も母数の多いターゲットでしたが、業種による反応差が極めて大きいのが特徴。

  • ハウスメーカー系(住宅展示場・地域密着工務店など):
     → 「来場予約広告」「LP改善」「Instagram運用」などニーズが明確で、アポ率は平均の約2倍(約4%)
  • 不動産投資・資産運用系
     → 広告代理店との取引経験が多く、既存パートナーが固定化されているケースが大半
     価格競争や成果報酬型の話に偏りやすく、アポ率は平均を下回る傾向(1%未満)。

この結果から、「同じ不動産業界でもハウスメーカー系は“成果訴求型”広告への興味が高く、投資系はロイヤリティが高い」という構造的な違いが見えてきました。


● 自動車業界:中古車販売は高反応、整備業は低反応

自動車関連では、中古車販売会社のアポ率が顕著に高い結果となりました。

中古車販売店は季節・在庫・相場により集客が大きく変動するため、
「広告費をどう最適化するか?」という課題感が常にあるのが特徴。
特にGoogleリスティングやMeta広告を実施している企業では、
LP改善(LPO)や広告最適化に対する相談率が高く、スムーズに商談化しました。

一方で、整備業・車検専門業者などはデジタル集客への関心が低く、
「今は紹介と口コミで足りている」という声が多く、アポ率は低水準にとどまりました。


● その他の業界傾向

  • 求人系:求人広告媒体の内製化が進んでおり、外注ニーズは限定的。
  • スクール系(教育・習い事):オーナー層の意思決定が早く、単発の施策依頼が多い。
  • EC・物販系:広告運用よりも「在庫や物流」がボトルネックになっているケースが多く、アポ化しにくい。

■ 成果を支えた運用構造

① CRMを活用した“再アプローチ型リード管理”

単発で終わるリスト営業ではなく、**「一度通話したリードを再接触する設計」**を導入。
架電結果をHubSpot上で管理し、「興味あり」「時期未定」「既存代理店あり」などに分類。
2〜3か月後に再架電したリードのうち、約15%が商談化しました。


② スクリプトを“業界別×課題別”で最適化

月次定例で業界別反応を分析し、
「中古車業界には“入庫→在庫→集客”の文脈」「ハウスメーカーには“来場予約→CV率→LPO改善”の文脈」など、
業界ごとの“刺さる課題トーク”を定義
同じスクリプトで全業界に架電しないことで、無駄打ちを防ぎました。


③ 広告代理店だからできる“会話の質”

単なる営業電話ではなく、広告代理店としての立場から
「媒体最適化」「LP改善」「タグ設計」「リード獲得単価(CPA)」といった**“プロフェッショナル会話”**を重視。
結果、電話が“情報交換”として受け入れられやすくなり、初回商談につながるケースが増加しました。


■ まとめ|テレアポは「営業」ではなく「データ収集施策」

半年間のテレアポ運用を通じて分かったのは、
テレアポは“断られて終わり”の施策ではなく、“業界理解を深めるデータ収集手段”であるということ。

業界別のアポ率を可視化することで、

  • どの業界が今後のターゲットとして有望か
  • どの業界ではリードナーチャリングが必要か
    が明確になりました。

広告代理店の新規開拓において、
テレアポは単なる営業ではなく、市場調査とCRMマーケティングの起点として非常に有効です。

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